改正社会福祉法対応財務諸表監査

1. 予備調査

監査の依頼が来ると、監査人はまず公認会計士としての責任が果たせる状況にあるかどうかをチェックします。監査を受ける会社が監査に協力する体制にあるか、監査に対応可能な内部統制が構築されているかどうかなどを調べます。
監査は試査を基に行われるため、内部統制が確立していない会社はその構築から始めなければなりません。

2. 監査計画の立案

管理組織のレベル、内部統制の整備・運用状況、取引の実体などを分析して、間違いの可能性の高い箇所をピックアップします。この間違いの可能性の高い箇所をリスクと呼び、そのリスクに焦点を当てて監査することによって、より効率的な監査を実施することができます。それがリスク・アプローチと呼ばれる手法で監査計画立案において最も重要な手続です。

3. 監査手続の開始

立案した監査計画の結果に基づいて具体的な監査手続を行います。監査は通常数人のチームで編成され、大会社については数百名の場合もあります。「売上」や「仕入」などの勘定科目ごとに担当者が決められ、実査・立会・確認・勘定分析など監査手続を効率的に行い、監査証拠を積み上げていきます。

4. 監査意見の形成

それぞれの担当が、その勘定科目に記載誤りがないと確信できるところまで調べがつくと、その業務の過程を監査調書にして現場の責任者に報告します。現場責任者(主査)はそれらの報告をまとめて相互の関連性や整合性を見ながら、全体としての正しさを検討します。その結果を監査責任者(業務執行社員)に報告し、監査責任者は最終的に適正かどうかを検討して、監査チームとしての意見を形成します。

5. 審査

監査チームの結論を、その監査に携わっていない別の公認会計士が客観的な視点でチェックをします。これを「審査」と呼び、上場企業を監査する事務所には必ず「審査担当」を置くことを日本公認会計士協会では義務づけています。監査現場を見ていない審査担当は、監査責任者から監査意見形成の過程の説明を受け、監査調書を査閲し、その判断が適切かどうかを客観的に判断します。審査が通らない場合は、監査チームは、会社に決算内容の訂正を求めていくことになります。

6. 「監査報告書」の提出

こうして公認会計士監査の報告書は作られます。「監査報告書」は監査責任者が自筆のサインをして、監査した企業の取締役会宛に提出します。企業は財務諸表にこの「監査報告書」を付けて、自らが作成した財務書類に間違いがないことを証明します。